M&Aプロジェクト

経営戦略室

八巻 春貴

2021年入社(中途採用)/経済学部卒業

前職まで、投資ファンドの分野で、投資先の選定から具体的な案件の財務及び事業状況の分析、買収対象企業の価格評価、契約の締結、企業の中長期的なバリューアップの戦略までの一連の業務に携わる。2021年よりニチイに入社し、経営戦略室のM&Aプロジェクトの推進と若手育成を担っている。

大きな転換期を迎え、
ニチイは「第二創業期」へ。

超高齢化に伴う労働力人口の減少と構造的なデフレーションに直面し、多くの社会課題を抱える日本。これらの課題に対して、ニチイは医療・介護・保育という社会機能の維持に不可欠なサービス基盤を強化している。
そんな中、創業者・会長の逝去をきっかけとして、ニチイは大きな転換期を迎えた。2020年には、世界的企業であるベインキャピタル・プライベート・エクイティ・ジャパン・LLCをスポンサーとするMBO(経営陣による既存株主からの自社株の買収)を実施。2021年4月1日には、株式会社ニチイホールディングスを持株会社とした持株会社体制へと移行した。そして、これ以降をニチイグループの「第二創業期」と位置づけ、「強いニチイ」を実現すべく、事業戦略の見直しや多様性と創造性を重視した組織体制の再構築など、大幅な改革を遂行している。中でも事業戦略においては、新たな経営体制のもとに経営戦略室を立ち上げ、M&A施策を積極的に進めている。

私が中途入社したのが2021年の7月。これまでずっとファンドの分野で仕事をしてきましたが、ニチイへの転職を決めたのは、新たな経営体制のもとでM&Aを進め、ニチイ自体のバリューアップをはかるという役割に興味を持ったからです。当初は少人数でしたが、その後、外部から新たに、公認会計士の資格を持つメンバーや事業面に強いメンバーを中途採用して柱を作るとともに、ニチイ社内から異動してきた若手社員も加え、現在10名ほどのチームで取り組んでいます。まさに、部署もチームも、一から立ち上げた形ですね。あらゆるものに既存のフォーマットがない中、プロジェクトを進めながら一つひとつ積み上げてきました。
また、経営戦略室だけでなく、ITや財務、経理などの他部署にも中途入社で加わった方が多いので、外部から多様なカルチャーを入れてニチイ全体が内側から変わろうとしている時期、まさに変わりつつある最中なのだと感じます。

かつてないスピードと規模で、事業拡大を推進中。

現在、ニチイでは一気に事業規模を広げ、市場シェアを拡大するという明確な経営方針が打ち出されている。その方針に基づき、介護部門においては、同業他社とのM&Aがかつてないスピードで進行している。
その点において、社内にM&Aを専門的に担う部署を持っていることは、ニチイにとって大きな強みと言える。というのも、自社の組織として動くからこそ、経営方針をダイレクトに反映したスピーディーで的確な判断が可能となるからだ。経営戦略室が発足して以来、チーム体制は着々と固まりつつある。さらに、今後、新入社員も含めた若手社員の力を積極的に取り入れて体制を強化することで、ニチイの事業拡大、およびニチイ全体の改革のスピードは、いっそう加速していくはずだ。

M&Aの大まかな流れとしては、情報収集から始まり、売り案件の分析を経て、意向表明書(LOI)を提出します。そこで独占交渉権をいただけた場合は、いわゆるデューデリジェンス(投資先の価値やリスクの調査)を弁護士や公認会計士など外部の専門家とともに実施。この段階では多くの分析が必要ですので、若手社員の果たす役割も大きいですね。そして、契約条件を詰め、社内決裁へと進み、最終的な売買契約が成立。その後、説明会や行政手続きを経て統合作業に移ります。
1つのプロジェクトの売上規模や投資額は、数千万から大きい場合は数十億円。そして、契約までの期間は早くて半年ほどです。私がニチイに入社してから1年8カ月ほどの間に、チームで6、7件のM&Aを手掛けました。長年ファンドの分野にいますが、このスピードで契約締結まで至るのは、稀なことです。M&Aにおいては、いわゆる「時間を買う」という考え方がありますが、効率の追求が企業の成長スピードにつながりますので、私自身もそこに大きなやりがいを感じています。

M&Aプロジェクトだからこそ得られる達成感とは。

M&Aに携わるうえで、求められるスキルは多岐にわたる。数値分析などの専門スキルはもちろん、売り案件の情報を入手するために日頃からM&A仲介会社や専門家とのつながりを作る、社外との交渉を進めて社内コンセンサスを得る、といった対人スキルも必要となる。
そういった高度な業務を成功させ、短期間で多くの契約を締結させてきたのは、八巻をはじめとする専門知識と豊富な経験を持った人財の力はもちろん、実務を通して若手を育成する「チームの力」も大きい。

今大きく変わりつつあるニチイにおいて、M&Aプロジェクトは大きな達成感が得られる仕事だと思います。もちろん、事業としての成功は数年ほど経営を続けなければわからない部分もありますが、M&Aとしては「情報を分析し、社内の納得が得られる説得力をもって案件を成立できた」というのが一つのゴールですので、成果が明確でわかりやすいと思いますね。
今チームにいる若手社員たちは、未経験で他部署から異動してきたわけですが、知識を吸収しながら非常によく頑張っていると思います。期日までにキチッとやり遂げ、日々、業務を通して経験値を上げています。今後、新入社員がメンバーとして加わった際は、先輩のそういった姿勢を受け継いでくれたら嬉しいですね。そして、皆の社会人人生の中で「ニチイの経営戦略室の創設期にいたこと」が誇りに思える、そんな部署にしていきたいと思っています。

M&Aプロジェクトは、実際に自分が手掛けた施設がニチイグループになるという成果が目に見える仕事です。そして、経営戦略室は、私のように外部からきた人間をはじめ、若手メンバーも多く、さらに外部の専門家との関わりもあるため、多様な視点や知見に触れられる部署。今後、新卒でチームに加わる方には、こういった点をぜひプラスに生かしていただきたいですね。

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