新人事制度プロジェクト
HR本部
及川 秀樹
1994年入社
新卒でニチイに入社後、経理部、社長室、組織人事監理部など管理系の業務に携わる。現在はHR本部において人事部の組織長として、人事制度管理、人事労務管理を担い、「人事制度改革プロジェクト」を先頭に立って遂行した。
ニチイの大きな改革の一つとして、2020年秋から一年かけて行われたのが「人事制度改革プロジェクト」。それまでの人事制度を刷新し、すべての人事制度のプラットフォームとなる等級制度や人材育成や報酬配分の根幹となる人事評価制度、賞与・給与につながる制度を新設するプロジェクトだ。
新制度の全体方針は、「ペイ・フォー・パフォーマンス」という考え方。成果に対してきちんと評価を行うという方針だ。これまではあいまいな部分があった成果への評価基準を明確化することで、公平感のある制度に変えていくことが大きな変化である。
新制度においては、業績と重点行動の2軸で評価が行われることとなった。業績は、売上や利益目標を達成したかという、明確な数字を評価するもの。一方、行動は、成果を上げるためのプロセス、いわば「種まき」の部分を評価するものである。
グループ全体で約9万人以上の従業員を擁するニチイ。その人事制度をすべて新しく作り変えるのは創業以来初の試みであり、プロジェクト規模は相当なものであった。それを約一年間というスピードで完成させたことは、ニチイの変革スピードそのものを表しているだろう。
プロジェクトはまず、現状分析からスタート。評価や給与の分布を調査するとともに、他社と比較し、良い点と課題点の両方をピックアップ。専門のコンサルティング会社もメンバーに加えて比較・分析を行うことで、外部の視点も積極的に取り入れ、客観性と公平性を担保した。その後、具体的な人事評価制度を策定。新制度はスムーズな運用と周知が鍵となるため、現場に極力手間をかけずに最大の効果が出せる形を模索。あわせて、それまで16あった等級を9にシンプル化し、経営層を巻き込みながら検討・検証を重ね、新人事制度を完成させた。
一年間のプロジェクトを経て、ニチイの新人事制度の運用がスタートした。しかし、これで終わりではない。むしろ、ようやく基礎ができあがった段階と捉え、より運用しやすい仕組みとなるようチューニングを行っており、今後も期ごとの改訂を予定している。それは、より現場の負担を軽減し、成果に対して公正な評価を行うためであり、「成果を生み出す人」、「成果につながる行動ができる人」がしっかり評価されることが、ニチイの事業の発展に欠かせないという全社的な考えがあるからだ。
制度を作ることは、最終目的ではなく手段。制度によって意識が変わり、行動が変わる。そして、大きな改革へのうねりを生み出していく。3年先、5年先、10年先に、制度改革の効果が事業拡大という形として現れることに、大きな期待が寄せられている。
学業でも同じだと思いますが、仕事においても成功に近づくには、自分自身が「興味が持てるか」、「突き詰めていけるか」、「前向きでいられるか」の三つが鍵になると思います。
ニチイは社会貢献につながる事業を幅広く展開しており、さらに時代に合わせて進化し続ける会社。どなたに対しても多くのチャンスがあり、成長できる環境だと思います。
今後ますます、この考え方が色濃く表れてくると思います